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2020.6.27

南仏の郷土料理「夏野菜のトマト煮 ラタトゥイユ」

今回は、南仏の郷土料理をご紹介したいと思います!

 

「夏野菜のトマト煮 ラタトゥイユ」

材料(4人分)

 

*オリーブオイル 大匙4
*にんにくみじん切り 大匙1
*トマト 500g
*オリーブオイル 適量
*ズッキーニ 200g
*パプリカ 100g
*ピーマン  200g
*茄子 150g
*玉ねぎ 120g
*塩 大匙1/2
*ハーブの茎 適量
*セロリ 適量
*タイム 適量
*バジル 適量

 

<作り方>

 

①よく熟れたトマトのヘタを取り、ざく切りに。

ズッキーニ、パプリカ、茄子、玉葱を食べやすい大きさに切る。

 

②鍋にニンニクのみじん切り、オリーブオイルを入れ、

弱火で香ばしい香りが出るまで加熱する。

 


 

③トマトのざく切りを加えすぐに蓋をする。

油の跳ね上がり防止と香りを封じ込める為。

 


 


 

④フライパンでズッキーニ、パプリカ、

茄子、玉葱を強火で焼き色をつける。

焼き上がったらどんどん③の鍋に加えていく。

 


 

⑤ すべての野菜が入ったら、

ハーブを加えて蓋をして10〜15分中火で煮る。

蓋をしたまま30分以上置き、味をなじませる。

 


 

⑥さあ、仕上げた。蓋を取るとき、

蓋の裏の水滴は残らず鍋に戻す。

全食材の揮発した香りの凝縮した雫だ。

不用意に捨てるとせっかくの香りのエッセンスを捨てる事になる。

温めて塩で調味して器に盛り、刻んだバジル、

エクストラバージンオリーブオイルを添えて完成!

 


 

冷製でも旨い。

大事なコツをもう1つ。

野菜を炒める時、強火で香ばしい焼き色をつける事。

そうすることで味に立体感が生まれて

メリハリのある煮込みになる。

そうそう、

南仏の太陽が美しさを際立たせる、あのイメージで!

 

 

「南仏の太陽とは?」

 

30年以上前、

フランス・リヨンの調理師学校の夏休みの時だ。

南フランスの地中海沿いの街、ニースを目指し出発した。

検索サイトも携帯電話もない時代なので、

日本で買った旅行ガイドブック、

リヨンの本屋で買った

ヨーロッパ鉄道の時刻表だけが頼りの旅だ。

現地情報、予備知識も限られていていたせいか、

不安よりもむしろ未知の土地への旅の

ワクワク感は言葉で言い表せない程だった。

 

ニース駅につくと

キヨスクでニースとその郊外の地図を買った。

ガイドブックに載っている宿の場所を地図に書き込んで、

華やかなリゾート地の空気と景色を楽しみながら宿を目指した。

 


 

 

7月の地中海性気候の日差しは強い。

細い路地や木陰に差し掛かり、

タイミングよく潮風が肌をすり抜けると、とても心地良い。

ずっと影になって太陽熱を吸っていない家の外壁、

石畳が天然のクーラーになり、

湿度が低いので水分を取りすぎなければほとんど汗をかかない。

丘の上まで生い茂る木々、

遠くの山の露出した荒々しい岩肌、古びた教会、

すれ違う西洋人の彫りの深い顔立ち、

蜂蜜色の細い髪…

南仏の太陽は地上のあらゆるものを美しく際立たせる。

 


 

マルシェ

無事、宿にたどり着き、少しだけ休んだが、

何もしないでいるのがもったいなくて、すぐに目的地に向かう。

しばらくすると、

道沿いに連なるテントとちょっとした人混みを見つけた。

マルシェだ。 カラフルな野菜、

果実、オリーブがそのまま山盛りになっている。

包装しないことで手間もかからず、ゴミも出ない。

とても理にかなっている。

花、ハーブキャンディー、

石鹸の専門屋台があるのはこの土地ならではだ。

 


 

ニースの隣の港町

今回の旅の目的地は、

ニースの隣の港町

ヴィルフランシュ=スュル=メールにある小さな礼拝堂だ。

ウサギボタニカの倍程度の

間口の小さな礼拝堂は16世紀ごろに建てられた。

いつの間にか漁師達の

漁具置場兼不良の溜まり場になり果てていたが、

1957年にジャン・コクトーが内外装を施し蘇った。

とても可愛らしい外装と、漁師の守り神、

聖ピエールの物語が内部全面に描かれている。

詩人で画家、

映画監督の顔も持つジャン・コクトー(1889〜1963) 。

堂内にしばらく居ると、

彼の唯一無二の画風で描かれた聖人たちが

語りかけてくるような錯覚に陥る。

 


 

眩い太陽

外に出ると、目に飛び込んでくる光の量が多すぎて

目を開けることができない。

堂内は撮影禁止なので、

向かいのお土産屋さんで

礼拝堂写真付き絵葉書を買うことになった。

完璧なアングルの写真付きなのに、

店の軒先で太陽に晒されて焼けて色あせていた。

どうですか?眩い太陽が目に浮かんできましたか?

せっかくなので、

是非皆様も南仏の郷土料理を作って

味わって楽しんでみましょう!

 

 


私がこの記事を書きました!
福士雅巳

福士雅巳氏

1968年、岩手県下閉伊郡山田町生まれ。
東京・四谷「オテル・ド・ミクニ」、フランス・リヨン、ボルドー、スイス・ジュネーヴのレストランで研鑽。
"ココロとカラダを美味しく整える料理"を楽しめる「ウサギボタニカ」(盛岡市・中の橋通)店主。

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