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料理

2020.8.31

季節の変わり目に体調を崩さないようにする「とうもろこしのナチュラルスープ」

今回はとうもろこしの糖質、

炭水化物エネルギーをしっかり摂って

季節の変わり目に体調を崩さないようにする

「とうもろこしのナチュラルスープ」

です!

 

<材料> 4人分

*オリーブオイル 大さじ2

*玉葱 120g

*とうもろこし 200g

*水 600 cc

 

 <作り方>

①玉ねぎをスライスして

オリーブオイルで色付けないように弱火で炒める。

 


 

②とうもろこしの皮をむき、

包丁で実を削り取り、①に加える。

水も加え、強火にする。

 


 

③沸騰直前に弱火にして蓋をする。

6分間加熱する。

 


 

④5分ぐらい置いて粗熱を取り、

ミキサーでなめらかにする。

 


 

⑤鍋に戻し、

もう一度温めて塩を加え、味を整える。

 


 

今日のポイントは、

玉ねぎに色をつけないように炒める事と、

6分間だけ加熱する事です!

長く煮すぎると、とうもろこしの繊細な香りが失われます。

 

「名残りの食材」

 夏の暑さの盛りも過ぎ、

夜の過ごしやすい気温が急に肌寒さに変わる季節です。

この季節の変わり目にぜひ食べていただきたいのは

「名残りの食材」

 食材が出回り始める"走りのもの"

収穫のピーク"旬"

そしてもうそろそろ終わりを迎える頃に

"名残りのもの"

名残ものは、

季節の変わり目の環境変化ストレスが食材を強くして

美味しさが増と言われています。

とうもろこしの糖質、

炭水化物エネルギーをしっかり摂って、

季節の変わり目に体調を崩さないようにするスープ

是非作ってみてください!!

 

 

あなたは食べたものでできている

ブリヤ=サバランと言う人をご存じだろうか?

17世紀のフランスの美食家で

「ガストロノミー(美食学)」

と言う言葉を作った人だ。

彼が言った有名な言葉がある。

「あなたが普段食べているものを言ってごらんなさい。

あなたがどんな人か当ててみせましょう。」

食べ物が体にどんなふうに取り込まれ、

思考、振舞いにいかに影響を及ぼすか

彼なりの考えがあった。

ほとんど彼の空想的理論だが、

方向性としては間違ってはいないようだ。

なぜなら生き物の体は、

"食べたものでできている" からだ。

100年ちょっと後に、

ある化学者が

食べた物が体の中でどうなるか実験を行った。

 

 

シェーンハイマーの実験

 


 

20世紀前半まで、

食べるという行為は

食べたものから吸収した栄養を

エネルギー源にして生命維持活動がなされ、

余分なもは

排気ガスのように排泄され

自動車とガソリンの関係のように

機械的に考えられていた。

 

ユダヤ系ドイツ人化学者、

ルドルフ=シェーンハイマー(1898〜1941)は、

生物と食べ物の関係、

食べるという行為のインプットと

アウトプットをミクロレベルで

正確に見極めたいと考えた。

シェーンハイマーは

食べ物の粒子に印をつけて、

マウスに与え、体の中のどこに行ったか

追跡する実験を行った。

閉じた空間で飼育し、

呼吸、排泄物、毛、汗、垢、

全て集めて食べ物がどこに行ったのか調べた。

その結果は…

マーキングした餌が分解されて、

体外に尿、糞、汗、垢として

排泄・代謝されたのは投与量の3割ほどだけで、

半分以上は排泄されることなく、

マウスの体のしっぽ、頭の中、骨の中、

いろいろなところ に溶け込んで、

体重は変わることなく、

体の一部として成り代わっていたのだ。

食べ物は単なるエネルギー源ではないのだ。

 


 

シェーンハイマーは別の角度からも実験を行った。

それで分かったのは、

細胞の交換はあらゆるところで行われ、

特に早く入れ替わるのは、

胃・小腸・大腸の消化管細胞だった。

消化管の表面の細胞は

2~3日で分解され捨てられて、

同時に食べ物から吸収された

新しい原子・分子で構成された細胞が

消化管の細胞を作っていた。

なので体から排泄される便の主成分は

食べ物のカスではなく

分解されて捨てられた細胞のカスだったのだ。

筋肉だと2週間ぐらい、

血液細胞だと数ヶ月で入れ替わる。

1年も経つとほとんどの細胞は入れ替わり、

1年前とは「別の自分」になっている。

 

うたか自然農園

 


 

ならば良い食べ物で美味しさを楽しみつつ、

細胞に入れ替えて健康な体にしたいものだ。

「良い食べ物」と言うのは、

高級品と言う意味ではなく、

生命力のあるエネルギーの

高い食べ物と言う意味だ。

福島吉隆さん、詠子さん夫妻が営む

うたか自然農園は、

昨年、紫波町から花巻市に引っ越してきたばかりだ。

にもかかわらず、

環境適応能力の高い

在来種の種しか使わない

作物のおいしさはいつもと変わりなく

美味しくて、力強くて、クリアな味だ。

岩手県にはおいしい野菜を作る農家が沢山ある。

その中でも際立って美味しい野菜を作る農家だ。

 

なぜこんなに美味しいのか?

 


 

福島夫妻は2人ともご実家が農家ではなく、

長く農業に携わってきたわけでもない。

むしろ若手に入る。

良き出会いの連続で、

初めて付いた師匠から

野菜作りのエッセンスを学ぶことができたそうだ。

お二人に会ったことがある方なら分かると思う。

良き出会いを引き寄せる夫婦だと。

独立して、学びを元に日々挑戦しているが、

独特の手法ゆえ、

周りから色々言われた事もあったようだ。

福島さんの農法は自然と戦うのではなく、

畑全体の環境のバランスを考え、

自然に逆らわない農法だ。

農薬はもちろん、肥料も使わないので

成長のペースはゆっくりだが、とても強い。

悪天候や様々な不確定要素にもびくともしない。

 

収穫を終えて、来期用に畑を耕す時は、

根、茎を抜かず枯れるまで待つ。

そのまま耕し、全てを土に返す。

ゴミも出ないし、何より、根、茎が

土中の微生物に分解され、

健康な土として蘇り、循環する。

そこに師匠から受け継いだ

生命力のある在来種の種を撒き、

数多く手入れと愛でる気持ちが

生命力のある野菜を作り上げる。

 


 

野菜を食べると、

最初から旨味がガツンと来る訳ではない。

張りがあって、

うねるような生き生きした果肉から

ジワリと旨味がにじみ出て来て、

どんどんどんどん旨味が増えてくる。

咀嚼が止まらなくなる。

まだまだ旨味が出てくるので、ずっと噛んでしまう。

旨味、香り、

しっかりした繊維が混ざり合って

野菜の命を感じる。

やっと飲み込むが、余韻がとても長い。

口の中に香りがまだ残っている。

美味しさと食べ応えに満たされて、

そんなに食べていないのに満足出来る。

「良い食材」は、食べ過ぎないのだ。

 

こんな食材が体に取り込まれたら、

新たな細胞として

最高の働きをしてくれるに違いない。

さあ、良い食材を見つけて、

自分仕様のキッチンで

元気が湧き出る料理を楽しく作りましょう!

 


私がこの記事を書きました!
福士雅巳

福士雅巳氏

1968年、岩手県下閉伊郡山田町生まれ。
東京・四谷「オテル・ド・ミクニ」、フランス・リヨン、ボルドー、スイス・ジュネーヴのレストランで研鑽。
"ココロとカラダを美味しく整える料理"を楽しめる「ウサギボタニカ」(盛岡市・中の橋通)店主。

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